資産の分散について

投資にあたって
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資産の分散については、「一つのかごに盛るな」とか、いろいろなことを投資本などを通じて学んできました。

資産には、株、債権、リート、コモディティ、暗号資産などがあります。

現在、私が保有しているのは、株、債権、金です。自分が理解できるものにしか手を出していません。暗号資産には興味がありますが、総合課税対象で税率が高すぎるために対象としていません。

  • 日常生活費

手持ち資金のすべてを投資に回してはいけません。

今日明日何が起こるかわかりません。

今日明日のご飯を買うお金は必要ですよね。

来月には光熱費や家賃、クレジットの支払いもやってきます。

まずは、日常生活費を確保しなければなりません。金額は、各人の暮らし方が違うので、1か月から2か月程度の現金を普通預金口座にいれておいたら安心です。

  • 生活防衛資金

人間誰しも病気やケガをするかもしれません。治療のために仕事を休まなくてはいけなくなった場合、その間収入が途絶えてしまいます。その時に心強いのが全国健康保険協会の傷病手当金です。しかし、それまでの月額(直近12か月間の標準報酬月額の平均)の3分の2程度の支給額で、最長1年6か月までの期間となります。注意しなければならないのが、休業中の社会保険料の支払いです。傷病手当金をもらっていても社会保険料については免除されません。 厚生年金保険料や健康保険料、介護保険料は受給した傷病手当金から支払う必要があるのですこの時に支払う社会保険料は傷病手当金受給額を元に計算されるわけではなく、あくまで標準報酬月額を元に計算された額になります。※自営業者やフリーランスの場合、傷病手当金といった制度はありません。パートやアルバイトの人は、自分の勤務先で社会保険に加入している場合には傷病手当金の対象になります。

傷病手当金 | こんな時に健保 | 全国健康保険協会

また、傷害年金という制度もあります。障害年金には「障害基礎年金」「障害厚生年金」があり、病気やけがで初めて医師の診療を受けたときに国民年金に加入していた場合は「障害基礎年金」、厚生年金に加入していた場合は「障害厚生年金」が請求できます。現役世代の方も含めて受け取ることができる年金です。ただし、傷害年金は傷害が残った人を対象としており、初診日から1年6か月が経過した日(1年6か月以内に症状が固定した日)、もしくは20歳に達した日に1級か2級の障害の状態である場合に受給できるものです。障害の度合いについては、日本年金機構の『令和6年版 障害年金ガイド』によると次の通りです。

【1級】他人の介助を受けなければ日常生活のことがほとんどできないほどの障害の状態です。身のまわりのことはかろうじてできるものの、それ以上の活動はできない方(または行うことを制限されている方)、入院や在宅介護を必要とし、活動の範囲がベッドの周辺に限られるような方。

【2級】必ずしも他人の助けを借りる必要はなくても、日常生活は極めて困難で、労働によって収入を得ることができないほどの障害です。例えば、家庭内で軽食をつくるなどの軽い活動はできても、それ以上重い活動はできない方(または行うことを制限されている方)、入院や在宅で、活動の範囲が病院内・家屋内に限られるような方。

これ、相当重い方だと思います。

https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/seido/shougainenkin/jukyu-yoken/20150401-01.html

では、生活費の不足分をどうすればよいか。

最近は、就業不能保険といった働けなくなった時に備える保険に注目が集まっています。ただし、一般的に就業不能保険には所定の就業不能状態になってから60日や180日といった期間が免責期間として設けられます。就業不能状態になってすぐに受給はできません。また、保険会社で就業不能の定義が異なっていることには注意が必要です。そして近年増えているうつ病などの精神疾患による休業、退職については、精神疾患を保障範囲としてカバーする就業不能保険も出てきていますが、「精神疾患を原因として60日以上の入院をした場合」など条件が非常に厳しくなっているようです。さまざまな保険が出ているので、必要性を見極めることが大事です。※国民健康保険に加入していて傷病手当金を受給できない方にとっては、検討すべき保険だと思います。

結論としては、生活防衛資金を貯めることに尽きます。

傷病手当金の受給期間は最長1年6か月です。就業不能保険に入っていたとしても、保険によっては180日間は保険料が支払われません。そうすると最低半年分は不足分を補う額の貯金をしておく必要があります。自営業やフリーランスの方は、傷病手当金が無いため、より不足分は大きくなります。

生活防衛資金の額が自分にとって十分ではないと思うならば就業不能保険に入っておくのが良いかと思います。十分な額というのは、人それぞれなので一概には言えません。私は、とりあえず2年分を目標に貯金をしています。

生活防衛資金は、何か起きない限りは手を付けないのが鉄則です。ただ、現金で置いておくのはもったいないので、元本保証で金利の付く定期預金個人向け国債で運用しています。個人向け国債は、変動10年型のもので、一年立てば中途換金(直近2回分の利子分が引かれる)ができます。現在は定期預金より利率が良いです(令和7年2月発行で税引き前0.75%)。インフレには勝てそうにありませんが。

運用資金

日常生活費と生活防衛資金を除いた資金を運用資金とします。

人によっては運用資金をすべて株式に投資する人もいます。資金額がまだそれほど大きくないか、もう十分過ぎるほど生活防衛資金を貯めているか、損失を将来の収入でカバーできるなどの場合でしたら、それでも良いと思います。

私のように50代後半になってきて、老後が間近になってくると損失を収入でカバーできる見込みは薄くなりますし、万が一株式が大暴落して回復までに10年もかかるといった事態が起これば、生活は苦しくなってしまいます。そこで、株式の暴落に対処するため、生活防衛資金の貯金は続けながら、運用資金をリスク資産と無リスク資産に振り分けます。その割合はリスク資産を60%、無リスク資産を40%とします。割合は好みで、とくに理由はありません。

【リスク資産】株式とします。人によってはリートやコモディティを含めても良いでしょう。

【無リスク資産】現金、債権とします。債権も価格が変動しますので、無リスク資産とは言いにくいですが、個人向け国債を利用することでクリアできます。ただ、現状ではeMAXIS slim 先進国債券で代用しています。

年1回程度、リバランスをするのが理想ですね。

株式が資産成長の原動力になります。何を選ぶのかは個人の自由です。私の反省から言いますと、人の意見に流されやすいので、あちらこちらに手を出して結局は上手くいきませんでした。一番リターンが良かったのは、ずっと積み立てていた投資信託です。eMAXIS slim 米国株式(S&P500)はリターンが90%前後になっています。もちろん、コロナ後の急成長と円安の進行によるところも大きいですが。

最近読んだ『インデックス投資は勝者のゲーム』(ジョン・C・ボーグル著)では、市場全体を買うインデックスファンドを推奨しています。アクティブファンドはインデックスファンドにほぼ勝てないこと、コストが低いファンドを選ぶことによって運用会社や販売会社に手数料を巻き上げられないこと、税金を抑えるために極力売買をせずに買って持ち続けること、過去の成績は将来を約束するものではないことなどが、しつこいくらいにデータや投資界隈の著名人の言葉を提示して説明しています。

人に流されやすい質なので、『インデックス投資は勝者のゲーム』にも影響を受けたことは否めません。でも、コストも複利で雪だるま式に増えていくという指摘が印象に残りました。人はリターンの複利効果ばかり気にして、コストもそうであることに気づいていないということです。さまざまな投資本や雑誌にもコストが安いものを選びなさいとあるのは、こういうことなんだと気づかされたのです。

また、『JUST KEEP BUYING』(ニック・マジューリ著)からは、具体的な貯金と投資についての考え方を学びました。とにかく「買い続ける」ことが大切だと。

現在の私も株式投資は投資信託が最適解であり、非課税となるNISAで投資信託を買い続けることがいかに有効かという結論に至りました。

そして、『サイコロジー・オブ・マネー』(モーガン・ハウセル著)では、投資は運であり、成功するには収入よりも貯蓄率がものを言うと知りました。運である投資が成功するかどうかわからない中で、貯蓄は自分がコントロールできる唯一の手段であると言うのです。

巷では何十億も稼いだ投資家の話が良く出ています。その人の技量もあるかもしれませんが、運が良かったのではないでしょうか。投資の世界では、元手が大きければ1%の上昇でも大きな利益になります。1万円では100円でも、1千万円では10万円ですし、1億円では100万円にもなります。元手を増やす段階で、幸運に出会えたのではないでしょうか。

大多数の人が、何十億も稼いだ投資家のまねをすることは困難です。再現性がほぼありません。でも、インデックスファンドならば誰でも市場からのリターン(配当利回り・利益成長)を享受することができます。後は自分が唯一コントロールできるコストの見極めと、ひたすら買い続けていくだけです。

もちろん何を選ぶのかはあなた次第です。でも上記の本に目を通してからでも遅くはないと思います。

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